冬のキャンプの対策は一言で言えば「いかに寒さを克服するか」にあります。
克服などと言うと大げさですが、携帯エアコンなどありませんから、野外で暑さをコントロールするよりも、寒さのコントロールの方により沢山の対処方法があると言えます。この考えられる対策を衣・食・住について考えていきましょう。
最初に何はなくても必要な【住】についてです。
冬のキャンプで最も安心して宿泊できる方法はキャンピングカーが一番でしょう。FFヒーターがあり、AC電源のある所ではCo中毒の心配がない電気ストーブも使用可能です。でも、1台5〜600万円もするキャンピングカーは誰でもが簡単に手に入れられるものではありません 。
そこで今回はあくまでもテントで宿泊することを前提にしたいと思います。
冬の昼間は、晴天であればある程度気温も上昇しさほど支障を感じないで過ごせます。問題はやはり夜と言うことになります。
就寝時、地表に体温を奪われるのですが、腰、背中から最も寒さが伝わって来る感じになります。また、シュラフに入っても首筋の隙間からも体温が逃げます。寒さが厳しいときや保温能力の低いシュラフを使用している場合は、シュラフの上面からも寒さが伝わってくるように感じます。
テントそのものの保温効果は、通常のファミリーキャンプを目的としたテントでは大きな期待はできません。室内高180cm以上もあるむやみに室内体積を取るテントよりも、就寝面積が必要最低限あり、高さも中腰で立てる程度で、テント全体を覆うフライがあるものが適していると言えます。
したがって、就寝することだけを考えた場合はドーム型に軍配が上がります。
一方ロッジ型テントにも利点があります。昼間インナーテントを寄せておけば、晴天のときはサンルームのようなダイニングが確保でき、吹きさらしのタープより数段快適に過ごすことができます。また、携帯型のカセットガスストーブなども簡単な注意点を守れば安心して使用することができます。これらをまとめると次のようになります。
冬期におけるタイプ別テントの適否
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ドーム型(注1) |
ロッジ |
| 大 型 |
最低限 |
|
夜間室内温度、暖房無 |
○ |
◎ |
○ |
|
地表の熱奪取 |
△ |
△ |
△ |
|
ダイニング利用 |
○ |
▲ |
◎ |
| 悪天候対応(注2) |
○ |
△ |
◎ |
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積雪対策 |
△ |
○ |
▲ |
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暖房器具使用 |
△ |
▲ |
○ |
注1)フルフライタイプ
注2)悪天候時のテント内での過ごしやすさ
地表に奪われる熱の対策
就寝時、腰に伝わる寒さは身に応えます。その対策としてマットは不可欠です。キルティングマットやフォールディングマット、最もポピュラーなアルミ箔接着マットも厚手のものを利用しましょう。また、頭から足先までをカバーできる長さが必要です。厚手のアルミ接着マットがまだ市販されていなかった頃、私は一枚2,300円の風呂場マットや台所マットを応用して重宝していました。なお、アルミマットはアルミ側が上側になります。
寒さに弱い人や、冷え込みが厳しい場合は、シュラフの足先と腰の下にホッカイロなどを利用する方法もあります。また、湯タンポを利用しているキャンパーも見かけます。
首回りから奪われる熱の対策
呼吸するたびにシュラフは収縮を繰り返し、その度に空気が出入りします。首筋の冷気対策はシュラフの形状で異なります。マミー(人形)型シュラフでは頭まで入って、顔だけを出すような使い方ができるため、首回りから熱が逃げることはありません。封筒型シュラフでは肩口にバスタオルや膝掛け毛布などを掛け熱の逃げるのを防ぎます。最近の封筒型シュラフの中には両サイドをフリーにしたアッパーと呼ぶ肩掛け部分をもうけているものもあります。
シュラフそのものの対策
スリーシーズン用と冬季用のシュラフを使い分けるのが最も良い方法ですが、スリーシーズン用を2重にして利用するとかなりの寒さまで耐えることができます。プロローグで述べたマイナス17℃の時、私たち家族はこの方法をとっていました。
また、シュラフカバー一枚あるか無しかでも体感温度は大きく違います。また、寒さに応じて毛布や開いた封筒型シュラフを掛けてもかなりの効果があります。
シュラフの裏地はコットンの方が暖かく感じます。最近の封筒型シュラフにはマミー型に匹敵するものもあり、寝返りが打てる幅を確保し快適に過ごせるものが発売されています。
ここで失敗談を一つご紹介しましょう。
スキー場で雪中キャンプをしているとき、DIY店で見つけたアルミ蒸着のレスキューシートをシュラフの上に掛ける毛布の代わりに使ってみたところかなり暖かく、これは良い方法だと悦に入って
家族体を寄せ合って就寝しました。
朝になってレスキューシートを取り除いてみたら、通気性のないシート裏側は水滴でびっしょり、シュラフもシートから落ちた水滴によりじっとりしていました。シュラフを通して相当の水蒸気が発散していることを身をもって知ることが出来ました。
注意
冬のテント生活で一番怖いのが酸欠です。シュラフに完全に潜り込んで寝ていた子供が酸欠になった例もあります。機密性の高いドーム型テントの中で火器を利用するのは相当な注意を払う必要があり、ガスランタンで酸欠死亡事故例もあることから、止めておくべきです。
ロッジ型テントでも化学繊維の機密性の高いもの、或いは機密性の高くした設営では同様ですが、解放可能部分がドーム型テントより多数あることから、若干ジッパーを開いたり、スカート部分の設営を多少ルーズにすることにより酸欠対策が取りやすいと言えます。ただし、ロッジ型テントとは言え木炭や豆炭は絶対にテント内で使用しないでください。
次いで気をつけたいことは火災です。夏より火器を使う時間が長く、その種類も多いためテント、着衣等への着火防止に十分配慮するべきです。
ホッカイロ、湯タンポ等を使用するときは低温やけどへの注意も必要です。特に乳幼児では親が十分な配慮してください。
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